【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



「あの...須藤先輩...ありがとうございます」



そんな俺に未菜はお礼を言った。



『りゅーちゃん!ありがとう!』



それと同時に昔の思い出を1つ思い出す。

未菜が笑顔でお礼を言っていた時を。



その思い出は幸せな思い出の1つに限りないのに。

今となっては、俺を苦しめる材料。



「...」



結局俺はなにも答えられなかった。



だけど未菜は返事が返ってこないことを想定していたかのように、また俺に言葉を掛けた。



「須藤先輩って凄く足が速いですね。羨ましいです」



「......」



足が速くたって、1番に未菜の元へ駆けつけられなかったら意味がない。



「須藤先輩は...」



未菜は俺の前に立ちはだかった。



「......私とそんなに話したくないですか...?」



俺はゆっくりと顔を上げ未菜のことを見た。



未菜の顔は寂しそうに...どこか泣きそうに俺のことを見つめていた。