【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



凄く久しぶりに握った手は...とても温かかった。

そしてその手はしっかりと俺の手を握り返している。



それだけのことに、どうしようもなく泣きそうになった──



「須藤先輩っ......」



突然名前を呼ばれ振り返れば、未菜の息は上がっていた。



......未菜のこと考えずに飛ばし過ぎた...



「…こっち」



未菜を休ませるためにも、空き教室に潜り込む。



ガラガラ──



そっとドアを閉めれば、カーテンの隙間から日差しが差し込むだけの薄暗い明るさ。



今の俺には丁度良い。

顔を見られなくて済む。



俺はドアにもたれかかり、下を向く。



この2人きりの状況はどう考えたって落ち着かない。

ダメなのに。側にいたらダメなのに。

なのに...この状況を喜んでいる自分がいる。