【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



別に待ってて欲しいなんて思ってないのに。



だけど長沢は既に漫画を読み始めていて、きっと俺がなんと言っても先に登校することはないだろうと悟った。

だから仕方がなく長沢の言うことを聞く。



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結局登校したのは2時間目の最初。

教室に向かう間も長沢がなにか色々と話していた。

正直適当に流して笑っていただけだから、話の内容なんてこれっぽっちも覚えていない。



「あーあ。全くうちの瑠星くんは時間にルーズなんだから」



長沢がわざと俺をからかえば。



「あはは。悪い悪い」



俺は長沢に合わせて笑って答える。

そうしておけば、変に気を使わせることだってないはずだから。



この1年ちょっとで、俺はかなり変わったと思う。



まず、心の底から笑わなくなった。

相手が笑えば笑顔を作る。

愛想笑いなんて日常茶飯事。

だから前よりは笑顔を作るのが上手くなった。

だけど、いくら笑顔が上手くなったって、心の底から笑っていなければ楽しくない。



そして、人と距離を取るようになった。

表面上は仲良くしていても、俺が相手を信じることは100%ない。



そうやって俺は過ごしてきた。