【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



久しぶりに抱き締めた未菜の体は以前に増して凄く細い。

そして、動かない。



「未菜...未菜...!!ねぇ!!返事してよ!!!!!」



どんなに名前を呼んでも、体を揺すっても返事は聞こえない。



「...未菜...未菜...死なないで......俺が全部、全部、悪かったんだ......だから、生きて......お願いお願いだから...死なないで...!!!!!」



遠くからは誰かが呼んだ救急車のサイレンが聞こえてきた──



───
──




気がついた時、俺は病院にいた。

あの後救急車が来て...一緒に乗って......

正直あまり覚えていない。



もしかして、なにか悪い夢でも見てるんじゃって思うぐらいだ。



だけど、さっきから視界に入る制服の至るところに付いた赤い血が現実を物語っていた。



今、未菜は手術中。

未菜のお母さんやお父さんも来ていて、現実を知って涙していた。

そんな姿に申し訳なさでいっぱいになり、俺は下を向くことしか出来ない。



そんな俺に未菜のお母さんは、



「瑠星くん、ありがとう。未菜の側にいてくれてありがとう...」



ってお礼を言ったんだ。

〝ありがとう〟なんて言葉...そんな言葉を受け取る資格なんてないのに。



「...本当に...本当に...すみませんでした......」



俺はそんな未菜の両親に、土下座をして謝った。

こんなんで許してもらえるなんて思わない。

だけど...だけど...こうするしか無かったんだ。



でも、未菜の両親は俺を絶対に責めなかった。

ただただ、〝瑠星くんがいてくれて良かった。ありがとう〟って。