【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



パン!パン!パン──



花火の終わりを告げる音が辺りに鳴り響いた...



俺は結局、ただ1人駅に立ち尽くす。



さっきまでガラガラだった駅は、帰宅する人で徐々に溢れかえってくる。



俺は、涙を堪えきれず顔を手で覆うと空を仰いだ。



───
──




どれぐらい経っただろう。

辺りは先程までとは打って変わって静かだ。



時計を見れば21時30分。



...そろそろ帰らなくちゃ。



俺は来た時と同じく1人で、だけど来た時とは真逆な思いを抱えて電車に揺られた。



そして、地元の駅に着くととぼとぼと電車から降り駅を出る──



その時、



「...本当に...ごめんなさい......」



「...のせいじゃないから、安心して」



聞き覚えのある声が...微かに聞こえてきた。



俺は下を向くのをやめ、声のした方に視線を向ける。



そこには、翼と浴衣を着た未菜が人から隠れるように物陰にいた。