時計を見れば19時10分。
未菜と待ち合わせした時間は19時。
俺の胸がざわつき始める。
いや、きっと、うん。
絶対あれだ、今日は花火大会で電車も混んでて...予定の電車に乗れなかったに違いない。
だから、待ってたら来る。
「大丈夫。大丈夫...」
あ、もしかしたら連絡きてるかも!!
俺は慌てて携帯のメールを問い合わせたり、着信履歴を確認した。
けれど、俺の目に映るのは...
新着メール0件、着信0件の文字。
...いや、圏外って可能性もある。
この人混みだ。
繋がらないこともあるはず。
...本当は、俺からメールなり電話なりすれば良いんだろうけれど......今の俺には出来なかった...
もしも...もしも......行けないと言われた時のことを考えると怖かった。
また、前みたいに避けられたら...そう思うと、未菜にどうして来ないのか、遅れてるのか、俺には聞く勇気がなかった。
聞かなければ、まだ希望はある。
聞かなければ、行けないと言われる事はない。
聞かなければ......今すぐに傷つくことはないから...
俺の視界には、未菜と見る予定だった花火が儚げに映る。
耳には花火の音や雑音が響く。
けれど、そのどれもを見たり聞くたび俺は涙を堪えるのに必死だった──


