【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



時計を見れば19時10分。

未菜と待ち合わせした時間は19時。



俺の胸がざわつき始める。



いや、きっと、うん。

絶対あれだ、今日は花火大会で電車も混んでて...予定の電車に乗れなかったに違いない。

だから、待ってたら来る。



「大丈夫。大丈夫...」



あ、もしかしたら連絡きてるかも!!



俺は慌てて携帯のメールを問い合わせたり、着信履歴を確認した。



けれど、俺の目に映るのは...

新着メール0件、着信0件の文字。



...いや、圏外って可能性もある。

この人混みだ。

繋がらないこともあるはず。



...本当は、俺からメールなり電話なりすれば良いんだろうけれど......今の俺には出来なかった...

もしも...もしも......行けないと言われた時のことを考えると怖かった。

また、前みたいに避けられたら...そう思うと、未菜にどうして来ないのか、遅れてるのか、俺には聞く勇気がなかった。



聞かなければ、まだ希望はある。

聞かなければ、行けないと言われる事はない。

聞かなければ......今すぐに傷つくことはないから...



俺の視界には、未菜と見る予定だった花火が儚げに映る。

耳には花火の音や雑音が響く。



けれど、そのどれもを見たり聞くたび俺は涙を堪えるのに必死だった──