【完】36℃の思い〜世界で1番大切なキミへ〜



千沙ちゃんは不気味に口角を上げた。



「好きですよ」



正直素直に認めるなんて思っていなかった。



「やっぱり、翼先輩はさすがですね。あの時私が漏らした言葉...覚えていたんですかぁ??」



千沙ちゃんが漏らした言葉...



あの日、テーマパークに行った日。

瑠星と未菜ちゃんカップルが楽しそうに話しているのを見て、



『ウザイなぁ...』



と言っていたんだ。

その言葉はかの鳴くような声で、たまたま隣にいた俺でさえ聞こえるか聞こえないか微妙な声。



あの時のことは今でも鮮明に思い出せる。



千沙ちゃんは、いつも俺達といる時は笑顔を絶やさない子だったのに...

その時の彼女の目は死んでいて、正直怖いと思った。



けれど直ぐに、いつもの笑顔に戻り、そのことに関して突っ込むなどはなかったのだ。



「あははっ、翼先輩はあなどれないなぁ〜」



千沙ちゃんは俺にバレたにも関わらず、痛くも痒くもなさそう。