「…あれ、本條?」




学校を出て、最寄り駅で電車を待っていると私を呼ぶ声がする

「…三沢」

振り返ると、そこにはクラスメートの三沢 淳一がいた

三沢はイケメンなサッカー部のキャプテンで明るくて誰にでも優しいクラスの人気者の男子だ

私も別に、三沢の事は嫌いじゃない

…でも、出来れば三沢とは、あんまり話したくはない


そんな私をよそに、三沢は話し掛けてきた

「本條、今、帰りか?」


「…うん」

私は、少しでも早く会話を終わらせるために素っ気なく返事をした




その返答には、流石の三沢も黙ってしまった
それと同時に私達の間には沈黙が流れ始める




それから、どれ位の時間が経ったのだろうか
ホームに電車の到着を知らせる放送が鳴り響いた時だった

三沢が決心したかのように私の腕を掴み、真剣な目をして口を開いた

「本條!大事な話があるんだ!これから少し時間無いかな!?」


三沢がそう言ったと同時に、ホームに電車が入ってきた




「悪いけど、これから用事あるから!」

私はそう言って、三沢の手を振りほどき、閉まりそうになってる電車に乗り込んだ

「本條!」

三沢は真剣な顔で私を呼び止めるけど、彼の叫びも虚しく、電車はプシューという音をたててドアを閉めた

三沢は、目の前を過ぎ去る、私の乗ってる電車を悲しそうな目で見つめていた