Rain

それから私と三沢は、場所を変えて、中庭へ来た

春先だからか、外はまだ少し肌寒かった

私が近くのベンチに座ったのを見て、三沢も隣に座り、話し始めた

「本條、卒業したら美大に行くんだっけ?」

「そうだよ!」

「お前、美術そんな出来る方だったっけ?」

「死ぬ気で絵の勉強したもん!」

私が胸を張ってそう言うと、三沢は笑っていたけれど、その後、少し悲しそうな笑顔を浮かべて言った

「……それって、やっぱり雪平先生の影響か……?」









あれから三沢は、先生がいなくなって落ち込んでいた私を、毎日励ましてくれていた

そして、3年生になってクラスが離れた今でも、こうやって気にかけてくれていて時々、相談に乗ってくれる





私はそんな三沢の目を見ながら言った


「うん!
『先生』っていうのは雪の夢だから!
あんな事があっても、雪は絶対にどこかで先生を続けてると思う…!
だから、私も雪と同じ美大に入って、雪と同じ美術教師になるの…!
そうしたら美術教師同士どこかで出会えるかもしれないし!
………雪はいつか、どこかで出会えたらって言ってたけど、私は、そんな偶然になんか頼らない!

……運命は自分の手で切り拓くの……!」

強くそう言った私を見た三沢は再度、悲しそうな笑顔を浮かべて「…そうか」と言った