Rain

―――美雨は高校の美術教師になるのが夢だった―――

ある時、僕は聞いてみた

「何で、美雨は美術教師になりたいんだ?……わざわざ美大まで来て、美術教師になりたいなんて奴、かなり少ないだろ。
美術教師なら、別に美大まで来なくても、美術課程がある大学とか行けばなれるだろ?うちの学校卒業しても画家の副業で美術教師やる奴は多いけどさ」

すると美雨は、その理由を話してくれた

「…高校の時にね、大好きだった美術の先生が、うちの美大出身だったの……だから私も先生みたいな先生になりたいって思って、ここの学校来たんだ」

そう言って、誇らしげに笑った




「…美雨なら、誰よりも良い先生になれるよ………絶対」

そう言って、僕は美術教師になった美雨を想像してみた


相変わらず、いつも笑っていて明るい美雨先生

生徒とは友達のように接し、よく生徒からはからかわれるけれど、他のどの先生よりも生徒に人気がある美雨先生


生徒だけじゃなく、同僚からも、保護者からも、皆から愛される美雨先生


その姿が手に取る様に想像出来て、僕は小さく笑った


「…でもさ、俺、凄いと思う。美雨は俺と同じ年なのに、そうやって明確な目標も夢も決まってて………俺、美雨のそういう所、本当尊敬してる」

そう言って、横に座る美雨の方を見た