Rain

そして、私が、ずぶ濡れになりながら大通を歩いていた時だった




「本條!」

後ろから私を呼ぶ、大好きな声が聞こえてきた

振り返ると、フードをかぶって、私と同じ位ずぶ濡れになっている先生がいた
隣には先生の友人らしい男の人もいる


学校が休みの日に、思いがけない所で先生に会えて喜んでいる私とは裏腹に、先生は厳しい顔をしながら、こちらに向かって凄い勢いで走ってきた
そして、両手で強く私の肩を掴みながら、詰め寄ってくる

「本條!何してるんだ!?こんな遅い時間に!」

そう言って、さっきよりも、もっと強い力で私の肩を掴み、勢いよく前後に揺さぶってきた

先生の私の肩を掴む力が強すぎて、かなり痛い

「…い、痛……」

私は、痛みに顔を歪めながらそう呟いた

先生と一緒にいた友達も、流石に、先生のその鬼気迫る表情と勢いに驚いたようで、ひきつった笑いを浮かべながら必死で私の肩を掴んでいる先生の手を引き離そうとしている

「落ち着けって、遅い時間って、まだ9時前だぞ?」

先生は、そんな友達の言葉も聞こえないらしく、相変わらず鬼気迫る表情を浮かべながら、捲し立ててくる

…先生に掴まれている肩が、さっきよりも更にギリギリと痛む
その痛みに、歯を食い縛りながら必死に堪えようとするけれど、そろそろ限界になってきた
目には涙が浮かんでくる
多分、肩は赤く腫れていると思う

そんな時、先生がこう叫んだ

「しかも、こんなどしゃ降りの雨の日に!」