いつも、恐怖に怯えて苦手だと思っていた人の、笑顔を見たら私はときめいてしまった。
竜也先輩に、今ドキドキしている。
あまりにも、真剣な顔だから。
「私の…っ私のどこが好きなんですか?」
声が震えてしまった。
すると、竜也先輩が私の顔をグィッと上げてきた。
「花子のこういう純粋な所だ。真っ白で、綺麗な心を持っている」
「えっ…」
「だけど、純粋すぎてすぐに、真に受けるけどな。あと、仕事はミスばっかだし、マイペースすぎる所もあるし、弱々しいし、すぐ泣くけどな」
ううっ…。私の駄目なところも何でもお見通しだ。
「俺が守ってやるから安心しろ」
守ってやる…
その言葉に私は再び、ドキッとした。
男の人に、そんなこと言われるのも初めてだった。
「何も心配するな。花子のためだったら何だってしてやる」
「っ…」
私は竜也先輩の顔を見つめる。

