先輩、ちょっと待って下さい!




「俺はその花子の誘惑にまんまとやられてるわけか…」



「誘惑なんてしてないです!よく意味が分からないですっ」



「花子に泣かれると困る。第一泣きたいのは俺なんだが」



竜也先輩の真剣な眼差しに吸い込まれそうになる。



「俺の告白から逃げたくせに」



先輩はそう言って、私の髪の毛を触ってきた。



え、どーしよう。恥ずかしい…



「あ、あのっ、」



「顔真っ赤。だが、今度は逃がさないと決めた」



先輩の手が私の髪の毛をなぞるたびに、顔が熱くなる。



すぐ近くに先輩がいて、私は顔を見れなかった。