先輩、ちょっと待って下さい!




「そんなことはないです」



私は先輩の顔を見ず、下を向いて言った。



「じゃあ、俺の目見て言えよ」



「えぇっ……」



先輩が、じっと私を見つめる。



鋭い視線に私は耐えきれず、目を逸らす。



「花子は分かりやすい」



意地悪な先輩に、私は困った。



やっぱり、この人苦手です。