「う、うん。カシ君は、変わらないね?」 気付けば頬を日の光が照らしている。雨が止んでいた。 ぱちりと一つ瞬いた碧眼が、思い出したように己の身体を見下ろした。 「うん。ハナコちゃんと会いたくて、この格好で待ってたけど…………」 ぱぁっ、と世界が虹色に光る。眩しくて目を細めた瞬間に、カシ君の身体がふわりと溶けた。 「そうか。人間の時間は速いんだったな。これくらいで丁度良いか?」 目の前に、金髪碧眼の美男子が微笑む。 ――お母さん。私、婚活しなくていいかもしれない。