公園に入ってしばらくすると、小学生くらいの男の子が一人、土の地面を這って何かを探していた。
さらりとして艶々の金髪に目を奪われる。外国人だろうか。
公園をぐるりと一周した頃には、暗く垂れこめた雲からぽつり、ぽつりと雨粒が落ち始めていた。
しかし、相変わらず必死に土の上に這いつくばっている男の子が目に入る。
このままでは濡れてしまう。
そっと近づくと、うぅ、と嗚咽を飲み込むような悲しげな声が聞こえ、私は思い切って声をかけた。
「ねえ、何を探してるの?」
私の声に驚き男の子が飛び上がる。短く整えられた艶々サラサラの金髪、海のような真っ青な目。
私は状況も忘れてそれに見惚れた。こんな子が現実に存在するなんて。
「――宝物」
おずおずと男の子が答える。
「どんな宝物なの? 私も一緒に探すよ。早く見つけないと、雨に濡れて風邪引いちゃうよ」
視線を合わせるためしゃがみ込めば、上半身を起こした男の子がぱちくりと瞬いて私を見つめた。
おお、やっぱり睫毛も金色なのね、と変な所に感心する。
「バンソウコウなの」
「絆創膏?」
「友達にもらったんだ。赤い、お花のついたやつ」
それは随分と可愛らしい。男の子の持ち物とは思えないから、可愛い女の子にでも貰ったのだろうか。
そう想像を巡らせながら、うん、うん、と私は頷いた。
「赤いお花のついた絆創膏ね。よし、一緒に探そう!」
励ますように笑って小さな肩を優しく叩くと、ふわりと男の子が笑顔になった。
さらりとして艶々の金髪に目を奪われる。外国人だろうか。
公園をぐるりと一周した頃には、暗く垂れこめた雲からぽつり、ぽつりと雨粒が落ち始めていた。
しかし、相変わらず必死に土の上に這いつくばっている男の子が目に入る。
このままでは濡れてしまう。
そっと近づくと、うぅ、と嗚咽を飲み込むような悲しげな声が聞こえ、私は思い切って声をかけた。
「ねえ、何を探してるの?」
私の声に驚き男の子が飛び上がる。短く整えられた艶々サラサラの金髪、海のような真っ青な目。
私は状況も忘れてそれに見惚れた。こんな子が現実に存在するなんて。
「――宝物」
おずおずと男の子が答える。
「どんな宝物なの? 私も一緒に探すよ。早く見つけないと、雨に濡れて風邪引いちゃうよ」
視線を合わせるためしゃがみ込めば、上半身を起こした男の子がぱちくりと瞬いて私を見つめた。
おお、やっぱり睫毛も金色なのね、と変な所に感心する。
「バンソウコウなの」
「絆創膏?」
「友達にもらったんだ。赤い、お花のついたやつ」
それは随分と可愛らしい。男の子の持ち物とは思えないから、可愛い女の子にでも貰ったのだろうか。
そう想像を巡らせながら、うん、うん、と私は頷いた。
「赤いお花のついた絆創膏ね。よし、一緒に探そう!」
励ますように笑って小さな肩を優しく叩くと、ふわりと男の子が笑顔になった。