蒼空は消えた



いや



隠れた…に近いのか?





まあ、どっちにしろ



今はオレが蒼空だ





オレは蒼空の弱さから生まれて



蒼空を守るためにいる



オレだけが蒼空を守れる



蒼空のためなら傷ついたって構わない



それがオレの…羽海の役目だ




















「…………蒼空様?」




「…………………………」




うるさいよ




「大丈夫ですか?」



黙れ



オレに話しかけるな






「……………………」




「…………蒼空様ではないな?」




「っ、」






冷淡なその声は



聞き覚えのある声




嗚呼。こいつか




蒼空を此処につれてきた男









「……………………だったら何だ」






オレは片方の口角をあげ



少し挑発的に話す









「お前、オレのこと知ってるようだな


残念だが蒼空はもういない


仕事も、この家を継ぐのもオレだ」





オレがそう言うと



男は自分と同じ表情で



まるでオレを待っていたかのように微笑む







「……何だ」






それが少し不気味で



オレは眉をひそめる