「……さよなら」
それは自分自身への別れの挨拶
多分、今日の仕事を終えたとき
私は私ではいられなくなる
たとえ今日が平気であっても
明日、明後日、数ヶ月後
必ずその時がやってくる
正気を保っていられず
狂ってしまう
そうなってしまうのが怖くて
私は私であるのを止める
私は弱くて
羽海ちゃんは強い
それは自分が一番よくわかっていること
強さを求められる世界
この世界では弱いものから消えていく
だとすれば
私は不必要だ
たとえ私が消えたくないと願っても
世界がそれを許さないだろう
『…………羽海ちゃん』
『……………………』
『ごめんね…弱くて』
『……………………』
『辛い思いさせて、ごめん』
『……………………』
『もう…これが最後だから…』
『……………………』
『……………………』
『……………………………………守るよ』