「お前は考えが甘い
颯も蒼空もな」
組長は表情一つ変えずに
ただ、そう告げると
俺に背を向けて去っていった
「…………………」
結局俺は抗うこともしない
黙っているだけなんだ
「終わりました」
タイミングよくドアを開けた
蒼空の姿は先ほどよりも
大人っぽく
長い髪は後ろで束ねられているせいか
細い首筋が露になり
色っぽさがある
「お疲れ様です
では一度、別の部屋に参りましょう」
「別の部屋って?」
「いけば分かります」
ここで話していたところで
時間の無駄だと判断した俺は
蒼空がもともと着ていた
制服を受け取り
彼女の前を歩きだす

