「………………ああ」






颯は椅子から立ち上がり


もう一度 蒼空ちゃんがいた場所を見つめる



颯なりに覚悟を決めているのかもしれない








「…そういや春斗は?」



裕が周りを見渡したとき


俺もその事に初めて気がつく



「彼女が出たあと直ぐに


消えました」



俺の少し後ろにいた零が


質問に答える










「……なんで」




裕の呟きは春斗に込められたものなのか


自分自身に込めたものかは


わからない



ただ そこにいた誰もが


裕の呟きに聞こえてないふりをした