蒼空ちゃんがこの部屋を


出ていってから


俺たちは動けないでいた







俺たちを受け入れてないことは


なんとなく分かってはいたのに


いざ言われてしまうと


何を言ったらいいのかわからなかった












「颯…ずっと そのままでいる気か?」



「………………」







俺たちは止まっているわけにはいかない


蒼空ちゃんを守ることを選んだ


だったら迷っている暇なんて無いんだ







俺は自分に自信なんて持っていない


何が正しくて何が間違っているかを


見分ける力も持っていない




俺に出来ることは


悩んでいる颯たちを少しでも


良い方に導いてやること



それが副総長の俺の役目だ







「お前が落ち込んでたって


何も変わらないだろ


裕…お前もな」



「「…………」」





「ただ あの子を守りたいって理想だけじゃ


蒼空ちゃんは俺らを受け入れてはくれない


中途半端な気持ちで


蒼空ちゃんに向き合うな」






きっと蒼空ちゃんは今まで


ちゃんと彼女と向き合ってくれる


人がいなかったんだ



17年間のなかで必要なものが


いくつか欠けてしまった