「とりあえず保健室に運ぶぞ」





ここでは その確認も出来ない



俺は蒼空を抱き抱えて



保健室に向かう




































「姉ちゃん…なんであんなことになったの?」




「………………」




保健室に着いて蒼空をベットに寝かせる


手当てをしながら


話を聞くがさっきから


黙ったままの蒼空




他の皆はカーテン越しに


俺等が終えるのを待つ









「姉ちゃん。背中 手当てするな」



「っいや」




俺が蒼空の服をまくりあげると



怯えたように俺から離れようとする



けど俺から逃げ切れなかった蒼空の



背中には無数の痣と傷痕




それは新しいものもあれば古いものもある












「これっ」







「………………」









「なあ。なんで何も言わなかった?



俺等が来なかったら」




「……ってない」



「えっ?」




蒼空の様子がおかしい




「助けてなんて言ってない!」





突然、叫んだ蒼空をただ黙って


見つめることしか出来ない


一体どうしたんだ?


なんで?






「おい。どうしたんだよ」




蒼空の大きな声にカーテンを


あけて入ってきた裕




「っそれ……何だよ」