そうだよ、今、この人がほうきに乗って浮いてるのは魔法なんかじゃなくて、糸か何かで浮いてるのよ。

「・・・。」

きららは、またうつむいてモジモジしはじめた。

「ねぇ、あなた。」

フィナは、きららに声をかける。

「あの・・・あのね、いきなりでごめんだけど、一つだけ確かめていい?」

「・・・。」

きららは、顔を少しだけ上げる。

「あなたの、名前・・・星月きららで合ってるかな?」

「・・・っ。」

わたしは、不意に顔をあげた。

え、え?、え!?

なんで、わたしの名前を知ってるの?

わたし、どこかでこの人に会ったことがあったかな?

「その反応は、合ってるのね。ごめんね、びっくりしたよね。わたし、あなたにずっと会いたくてこうやって、話をしたかったの・・・って、なんか怪しい人みたいだよね?あのね、話せば長くなるんだけど少しだけでもいいから、わたしの話、聞いてくれるかな?」