言えない恋心


 わたしとは住む世界が違う男性(ひと)……。


 彼は両親を失ったわたしを哀れんでいるのかしら。彼は見窄らしいだけではなく、吃音症で聞き取りにくいわたしの言葉に耳を傾け、辛抱強く話しかけてくれる。


 そのおかげで、わたしは孤独じゃないと、そう思えるの。


 だけど今日はいったいどうしたのかしら?

 ヒースはいつも微笑んでいて、明るい男性だけれど、今日はいつもよりずっと楽しそう。


 疑問を抱くわたしに、楽しそうなヒースは薄い唇を開いた。


「今日はぼくの誕生日なんだ。今夜、ここの広間でパーティーをひらくのは知っているよね? それで、君はこの屋敷の住人だし、当然参加するだろう? 夕方にでもお祖母様がお越しくださるんだ。ロズ、君をお祖母様に紹介したい」


「えっ!?」


 紹介?

 いったいヒースは何を考えているの?


 わたしはハウリング家の召使いで、ヒースの友達でもなんでもないのに!!