「う〜ん。」

朝の陽が眩しくて、微睡みながら、ボクは瞼を開けた。

すると、

「起きたか?」

低い男のハスキーボイスの声。

その声を聞いた途端、ボクはガバッと起き上がった。

たが、

「えっ!?ウワッ!?」

そう言うと、もう一度、布団を被り直す。

だって、ボクは『素っ裸』だったからだ。

そして、おずおずと声の主を見たボクは、さらにびっくり!!

「‥‥なっ、何で、ボクと『お前』が一緒のベッドで寝てるんだよ!!」

金色の『ヴァンパイア』は、ボクを見て、冷笑を浮かべた。

「お前は、肌もスベスベで、そこら辺の『女』たちより、よっぽど心地いい。それに‥‥。」

そして、今度は、何やら、含みのある冷笑を浮かべた。

ボクは、気になった。

『それに‥‥‥。』

何だ?

何か、『変なこと』でもされたのではないか?

一瞬、そんな考えが頭をよぎった。

だが、金色の『ヴァンパイア』は、

「お前、『寝顔』が可愛らしかったぞ。」

そう言った。

「!?」

ボクの顔は、真っ赤になっていることだろう。

「ふっ、普通、『男』は、そんなこと言われても嬉しくないよ!!」 

「フフッ。そうか?」

金色の『ヴァンパイア』は、さらに深く冷笑を浮かべた。

「ところで、ここ、どこなのさ?ボク、帰らないと‥‥‥。」

ボクがそう言いかけた時だった。

「お前、名前は?」

ボクは、ジト目で、金色の『ヴァンパイア』を見て、

「人の『血』を吸っといて!!先にお前が名乗るべきだろう?」

すると、金色の『ヴァンパイア』は、

「私は、『ルイ』だ。ほら、私から名乗ったぞ。お前の名前も教えろ!!」 

またもや、命令口調。

「‥‥佳那汰。霧島佳那汰。」

「佳那汰。佳那汰というか。そうか。覚えておこう。」

別に、覚えなくていい!!

ボクは、心の中で、そう呟いた。

そして、服を急いで着ると、その部屋を一目散に出て行った。

もう、二度とルイとは会うことはない。

そう思っていた。

だが、また会ってしまうことになる。

そう今度は、『敵同士』として‥‥‥。