私たちは、光りをたよりに、森の中を彷徨っていた。

そこで、クリスとルイを発見した、私たちは見たのだ。

クリスが水を操り、炎に包まれた剣を握り、自由自在に操っている、ルイと戦っているさまを‥‥‥‥。

だが、明らかに、『分』はルイのほうにあった。

「ねぇ、みんな、行くよ!!」

佳那汰は、大和と冬夜に合図し、少し離れたクリスとルイの間に割って入った。

すると、クリスは驚いたように、目の前に立った三人を見やり、

「なぜ?俺を助ける?」

「それが、『陽菜の願い』だからだよ。」

佳那汰はチラッとクリスを見て、にっこりと笑い、そう言った。

「『陽菜の願い』?この『俺』を『助ける』ことが‥‥‥‥?」

「そうだ。だから、お前は俺たちに、大人しく、助けられてればいいんだよ!!」

大和は、ボキボキッと腕を鳴らし、戦闘体勢に入る。

「そうだな。お前は、『分』が悪いだろう?例え、俺たちが『人間』でも、少しぐらいは手助けになるだろう?」

と、冬夜はそう言った。

私は、冬夜にはすべてを話した上で、助けを呼んだのだ。

クリスは、少し戸惑っていた。

なぜ?

『ヴァンパイア』である俺を助けようとするのか、分からなかった。

俺なんか、放っておけばいいのに‥‥‥‥。

だが、なぜか、分からないが、今まで『孤独』だった自分が少し薄らぐのを感じていた。