「久しぶりだな、クリス。」

冷笑を浮かべ、クリスを見ながら、その男の人はそう言った。

「ルイ!!」

クリスは、しまったという感じと、忌々しげな感じで、『ルイ』と呼んだ男の人を見た。

それは、あちらも同じかというように、クリスよりも、さらに忌々しげにクリスを見ていた。

「お前、ルイじゃないか!!」

佳那汰が、ルイを指差して、怒鳴った。

その顔は、怒りに満ち満ちていた。

しかし、ルイは一瞬、チラッと佳那汰を見たが、なぜか無視し、クリスを見据えて、

「場所を変えようじゃないか、クリス。」

そう言った。

クリスは、私たちをチラッと見ると、

「‥‥分かった。」

そう答えた。

「おい、コラ!!ボクを無視するなよ!!ルイ!!」

佳那汰は、憤慨したように怒鳴っていた。

その時、私の部屋の扉が開く音がして、大和が入ってきた。

そして、

「うわっ!?何だよ!?コイツらは!?」

びっくりした声を出して、扉の外で、突っ立ったままでいた。

「クリス。私と一緒に来い!!ここにいる人間どもが‥‥‥‥。」

そう言い終わらないうちに、ルイは、私たち、いや、私のほうを向くと、さらに冷笑を深く浮かべると、

「ほう?お前、『ハーフ・ヴァンパイア』か?」

そう言った。