ザワザワ…



「……」

バイト行くん気まずいなぁ…。

大体何で私なん?

芸能人やから、かわええ人いっぱいおるのに…

あぁでもとも君が彼女おったら立ち直れん…泣



ドンッ!!



「うはっ!?」

いたたた…

誰かにぶつかって地面に腰ついた。

「大丈夫!?」

「あ、はい…大丈夫で………」

春の19時。

日が暮れ始め、人通りの少ない路地で。

私は偶然ぶつかった。

………

……



…と、ともくんっっっっ!?!?!?!?

私に手を差し伸べとるんは、紛れもなくあのとも君やった。

う、う、嘘…

バイト行く前にとも君に遭遇するなんて…

「…?おーい。およっ?」

スタッズが沢山付いたキャップをかぶっとる。

もうほんまにとも君や…

とも君や…泣

「うぐっ…うぅ…っ…」

「え?ちょ、えっ!?」

泣く私にとも君が動揺した。

「あ、俺のファンとか??」

「は、はい!」

あぁ…本物や…泣

TVで見とった人や…

「ありがと〜♪嬉しいわ〜♪」

満面の笑みで笑った。

重岡には無かったこの感激具合がリアル…。

「あ、私バイトなんでこれで…」

「おっ。がんばれ〜」