人気のない食堂脇に入ったところで金井さんの足は止まった。

私の方を振り替えってじっと見つめる。


改めて見るとやっぱりきれいな人だなあ…



「単刀直入に言うわ。
彼方君のこと、どう思ってるの?」


「え、あの…」


「正直に言ってね。
私、嘘は嫌いなの」



あまりの迫力に少し戸惑う。
でも、ここははっきりと言うべきなのかな

そんなことを思う前に口が勝手に動いていた。



「私は、彼方が好きです。

金井さんと彼方が付き合い始めて、やっと気づきました。

この気持ちは誰にも負けません」



ここまでいってしまっていいのだろうか

だけど、止まらなかった。


金井さんとしばらく見つめあっていると、向こうから先に崩れた。


金井さんは、彼女らしからぬ程に笑っていた。

その姿はきれいというよりも可愛かった。


でもさすがに笑いすぎでは?



「あの、こっちは真面目に打ち明けたんですけど…」


「ああ、ごめんなさい。
あまりにも正直だったものでつい」



正直に言えと言ったのは金井さんじゃないですか



「それに、これじゃあ私は敵わないわ」


「どういうことですか?
だって金井さんは彼方と…」


「ええ、付き合ってるわ
でも、彼は私のことを好きではないわよ?」


「…は?」