彼方のサーブで始める。
何度か打ち返したところで彼方が喋りだした。



「四葉の返しってほんと取りやすいよな」


「はいはい、どうせ大会優勝者には敵いませんよ」


「ま、そうだな」


「ムカつく」



ラリーを続けるつもりが、つい本気で打ち返す。
だけども彼方はそれを軽々と拾う。



「そんな怒んなよ。
でも、四葉って素直だよな」


「え?」


「ひねくれてるように見えるけど、実は素直な心持ってる。
それが打ち方に出てる」



私が素直?
一体私のどこが素直なのだろう?



「だってさ、俺がバドミントン続けられたのって、四葉のおかげなんだぜ?」


「私のおかげ?」


「うん、四葉が真っ直ぐ応援してくれたから
ずっと、届いてた」



そうだったんだ
そういわれるとなんだか嬉しくなる。

私はずっと彼方のことが好きだったのかな…



「俺は、四葉のそういうとこ好きだよ」


「…へ?」



思いがけない言葉に思わず空振りをした。


…まあ、幼馴染みとしてってことだよね?
大切な幼馴染みって言ってたし。


ちょうどその時、母親が帰ってきた。
彼方のお母さんと一緒に…



その夜はホワイトクリスマスだった。
私は今日、仲直りというプレゼントを貰った。