午後5時頃

玲奈と別れてから家についた。

珍しく扉が閉まっているので鞄から鍵を取り出そうとする。


…あれ?

見当たらない


仕方なく家の前の階段に座り込んで待つことにした。

きっとすぐに母親が帰ってくるだろう。



寒いなあ…



1時間経っても誰も帰ってこなくて
手袋を取ると、手は悴んでいた。


まさかこんなクリスマスイブだなんて…


…彼方は今頃、金井さんと一緒にいるのかな?

一緒にケーキ食べたりするのかな…?



ふいにそんなことが浮かんでいた。

あまりの寒さと心細さにうずくまる。



彼方…



「あれ?四葉?」



聞き慣れた声にハッと顔を上げた。


そこにいたのは



「彼方…」



私に気付いた彼方が私のもとに駆け寄ってきた。



「なにしてんの?」



彼方の声を聞いたとき、思わず涙が溢れてきて、近付いてきた彼方の胸に顔を埋めた。

その様子を見て彼方は慌てる。



「え、ちょ、四葉どうした?!」


「彼方、ごめん、ごめんね…」


「え、いいよそんなの。
泣くな四葉~!!」