それからまた月日が経った。


もしかしたら時間がたてば気持ちが薄れるかもしれないって思った。

でも駄目だった。

それどころか、気持ちはどんどん強くなっていった。


彼方とはずっと話していない。



12月24日
終業式があった。

学校で少し勉強してから玲奈と帰る。



「さっむいなあ。
天気悪いし夜雪降るんじゃないの?」



息を吐きながら手を擦る玲奈。



「玲奈」


「ん?」


「私、やっぱりまた話したい
以前みたいに」



好きって気持ちは伝えられないけど、このままじゃ嫌だ

また、くだらない話でもしたい。


だけど



「彼方は、許してくれるかな…?」



あんな酷い突き放し方をした私を
彼方は受け入れてくれるかな…?

そんなことを心配していると、玲奈は笑って背中を叩いた。



「大丈夫だって!
彼方はそんな心の狭い奴じゃないよ
四葉、あんたが一番よく知ってるでしょ」



…そうだ

何があったって彼方は…



「私、頑張るよ」



次にあったら彼方に謝ろう
そして、また以前のように話そう。



「今日、クリスマスイブだね」



玲奈が空を見上げて言った。