いつもの放課後


ゴールデンウィークが終わったばかりのこの日はいつも以上に疲労感があった。

学校から家までの道のりをいつもと変わらず2人並んで歩いていた。


そう、これは当たり前の日常だった。
今までは…



「なあ四葉~」



隣にいる腐れ縁の幼馴染みがいつものように話しかけてくる。

それに私はいつものように返す。



「何?」


「俺さあ、この間告白されちゃったんだ~」


「へ~よかったね」


「なんだよその返事、つまんないの」


「いつもの事じゃん。

それで俺はバドミントンしか考えられないとかいう理由で断るんでしょ?」



九重彼方(ここのえかなた)はただのバドミントン馬鹿。

ちょっと背が高くて人当たりがよくてどこかマスコットを感じさせる。

超絶イケメンでもなく至って普通の男子高校生。


そんな彼方は地味にモテる。

告白される度に報告してくるから最近は聞き飽きたくらい


そのくせに全部断ってるみたいだけど…


まあ、確かに生まれたときからの幼馴染みというなんとも珍しい仲だけど

彼方が誰と付き合おうと私、風波四葉(かざなみよつば)には関係ない。