「では、貸切風呂の方、8時から9時の1時間でよろしいでしょうか?」
「あ、はい」
受付も済ませ、部屋へと向かう。
「風呂、楽しみだな~」
「槇、エロいっ」
「ばーか」
言い合いをしていると、部屋へと着いた。
和室の、昔ながらの造りは、
落ち着く雰囲気があった。
「では、また夕食の方、6時にお持ちしますね」
「はい、ありがとうございます」
「ごゆっくりどうぞ」
案内してくれた仲居さんが、部屋を後にして。
「うあー、疲れたー」
槇は、大の字に寝転んだ。
「ずっと運転してたもんね。ありがとね」
「んー、別にいいけど」
そう言う槇の言葉は、照れ隠しだって分かってる。
ありがとうなんて、言われることが恥ずかしいんだもんね。