『くるみには使えるカードがいっぱいあるでしょうが。

使えるものはフルに活用するべきだよ。』




「使えるカード?ポイントカードはすぐなくすから作らない派ですが。」




『そういうカードじゃねぇよ。

お前の交友関係には使えるやつが盛りだくさんだぞ。』






電話を切る間際にそんな話をされた。



きっと悪魔と魔王のことだから電話の向こう側では悪い笑みを顔に張り付けていたことだろう。




「使えるカード…ね。」




自分の交友関係にある人たちを使える、使えないで判断できるほどあたしは偉い人でもなんでもないけれど、現状をどうにかするために必要なことと割り切って考えさせていただく。




それにここ最近で一気に増えた交友関係。


一度きちんと整理する必要があるかもしれない。





まず、マリリンはあたしの絶対的味方であり大天使様である。


使うだなんておこがましいにもほどがあるが、マリリンはあたしの周りで最も有能な男だと思っている。


あと、マリリンに裏切られたらたぶんあたしは滅亡する。





次に、ヒーロー部。

風紀委員会と対峙するにあたって、ヒーロー部は直接動かないのが吉だろう。


海先輩に言ったらものすごく怒ると思うが、対風紀では使えない。




かっちゃん先輩たちは万引き濡れ衣の件もあるから、きっとお互いにいい感情は持っていないだろう。


風紀の弱みを知っているという点では使えるが、穏やかに話が進まなそうだ。



となると、残りは、


「生徒会、か。」