trick or KISS―キスしてくれなきゃイタズラしちゃうぞ







―バタン




少し雑に扉を閉めると陸くんは不機嫌そうな顔で私を見てきた。


「え、な、なに?!」


「………、なんでもない。」


陸くんはひとことそういうとベッドに潜り込んでしまった。




そっか、具合悪いんだもんね……。


「お水、とってくるね?」



私は陸くんの背中にそういうと


私はまた階段を降りてお水をとってきた。









「陸くん…大丈夫?お水飲んでね?」




コトリとコップを置くと



「ねぇ…」

陸くんが声をかけてきた。



「お前、俺より空のほうがいいの?」



布団から目だけを出して上目遣いでそう聞いてくる。


か、かわいい!


じゃなくて!


「私は、陸くんが好きだよ?」




こてんと首をかしげてそういうと




「………っ、そう…」


陸くんはそう言って背中を向けた。



布団の間から覗いている耳が、赤い。