―バタン
少し雑に扉を閉めると陸くんは不機嫌そうな顔で私を見てきた。
「え、な、なに?!」
「………、なんでもない。」
陸くんはひとことそういうとベッドに潜り込んでしまった。
そっか、具合悪いんだもんね……。
「お水、とってくるね?」
私は陸くんの背中にそういうと
私はまた階段を降りてお水をとってきた。
✱
「陸くん…大丈夫?お水飲んでね?」
コトリとコップを置くと
「ねぇ…」
陸くんが声をかけてきた。
「お前、俺より空のほうがいいの?」
布団から目だけを出して上目遣いでそう聞いてくる。
か、かわいい!
じゃなくて!
「私は、陸くんが好きだよ?」
こてんと首をかしげてそういうと
「………っ、そう…」
陸くんはそう言って背中を向けた。
布団の間から覗いている耳が、赤い。

