(10)



美由side




「…クシュン。」



寒い。


寒さに震えて起きた。






辺りは真っ暗。



ここは…私の部屋じゃない?



 …外?




何で私こんな所にいるんだっけ?






…あぁ、そうだった。


音楽室で、泣いちゃったんだ。私。





恥ずかしくて飛び出して屋上に来て、

気付いたら寝ちゃったんだ。






…もうすっかり夜。



こんな寒いのに、

私ったら、よく寝れたよね。





…ってそう言えば、

今日は週に一度のピアノ教室の日。




お母さんも先生も、

きっと心配してるよ!




早く帰らないと!!


立ち上がってドアノブを回した…けど。



…あれ?




ガチャガチャと回してるけど、開かない。




…鍵が閉まってる。