”中途半端な気持ちで

美由を傷つけないで!”






中途半端…。





その言葉が、

耳から、

ずっと離れない。







俺は、いつもそうだ。


”誰かに合わせてれば、楽。”


”誰かに的を絞らなきゃ、楽。”


中間を行ったり、

来たりしてれば、

誰にも文句言われない。




…むしろ、

”いい人”に見られる。








でも、

それって結局、



本当の事から

逃げてるんだよな。





…カッコ悪すぎ。

俺。







美由には、

嫌われたく無くて。



これ以上、


俺の事で、

なんかあって、

傷つけるのが怖くて。






守るつもりだった。






…断った。




美由の



1番近くに居られる場所。







”歌うのが好きだから。”


あながち、

嘘は言ってない。





俺が断った時、

美由、

悲しい顔してたな。






でも、

真面目な西島が

指揮やるっぽいし。




大丈夫か…。






とか、思ってたら!



西島の奴!



俺の悪口を

美由にベラベラと

話すだけなら

ともかく、



美由に

肩なんか組んで

馴れ馴れしく

しやがって。





とにかく、


すげぇ、


頭にきた。





…ヤキモチ…だよな?

これ。




俺って、

つくづく勝手だな。