篤司君は、じっと私を見ていた。 あの演奏、聞かれてた。 …見られてたんだ。 こんな 可愛くない私を。 何も言えなかった。 そのまま、 篤司君の横を擦り抜けて、走った。 どこか…どこか、誰もいない所へ。 一人になれる所へ。 そして気付くと、 私は屋上の扉の前に立っていた。