さっき、

教卓に立ってた

クラス委員の西島君が、

近くに来て言った。










「美由ちゃん。

作曲、大丈夫そう?」










西島君は、真面目な人。






頭も良いし、

気も利くから、


きっと、心配してくれたんだ。









私は、正直に言った。








「…私には、荷が重いよ。

作曲だなんてしたことないもん。」











西島君は、頷いて言った。









「だよな。

ピアノ、弾けるのと作曲じゃ、

違うもんな。」









すると、隣りにいた友香が怒鳴った。











「わかってるなら、

なんで、美由に押し付けるのよ!!」








西島君は、慌てながら言った。








「ご、ごめんって。



俺だって、そう思ってたけど、

みんな期待してたしさ。




それに…良い案があるんだよ。」











「良い案?」









私が、聞き返すと、

西島君は、頷いて言った。








「そう!



実は、うちのクラスに、

もう一人、適役な奴がいたんだよ。」









友香が目を細めて言った。













「適役?誰よ、それ。」











西島君は、笑顔で言った。
















「篤司だよ。

アイツ、バンドやってるんだ。」