友香は、怒りを爆発させて言った。



「もう!

頭来る!

なんなの?

わかってないのは、どっちよ!」







…私は、





私は、何も言えなかった。







全部、

本当の事だよ。






私、今、

篤司君と恋の歌を作ってるくせに、






そういうの、

ちっともわかってない。





付き合ったりした経験だって、

無いもん。










「あまり、気にしないで平気だよ。」





西島君が、半笑いして言った。






「篤司はさ、結構人気あるからさ、

近くにいると、男女関係なく、

よくあるんだ!




問題は、篤司の方。

アイツ、すごくモテるくせに、

それに関して

全く興味を示さないんだよな。



女の子と、

二人きりで話すことなんて、



今まで無かったし。




だから、周りも、

少し羨ましいんだよ。」






友香も付け加えるように言った。






「そうそう!

美由は堂々としてていいんだよ!

私が、守ってあげるからね!!」







「うん…。」






私は頷きながら、

心の中は、

大きな

暗い闇に包まれていくみたいだった。