(4)
突然、
教室のとびらが開いて、
誰かの声がした。
ビックリして見ると、
そこには、さっきまで
屋上に
いたはずの篤司君が立っていた。
…どうして?
どうして、ここに?
私が目を点にしていると、
篤司君は
とびらを勢いよく閉めて、
目の前に来た。
「だから、
少し前に弾いてた旋律と
今の旋律を繋げるんだよ!」
そう言って、
篤司君は
近くにあった椅子に、座った。
「あっ…えっ?
あの、篤司君?
もしかして、
ずっと、聞いてたの?」
私が、
しどろもどろでそう聞くと、
篤司君は、
ふっと視線をそらしていたけど
笑顔で頷いて言った。
「うん。
ってかさ、
美由さんって
ピアノホントに上手いじゃん!
今のだって即興なんだろ?」
うわぁ~。
恥ずかしい。
本当に見られてたんだ。
適当に弾いてただけなのに…。