「本当は、
全然大丈夫じゃないのに。
顔色見て、
人に気を使ってばかりいて。
…いつもだったら、
私がフォロー出来るんだけど。
今回は、曲作りなんて、
荷が重過ぎる…。」
友香さんは、
頭を抱え込んで息を着いた。
俺はこの時、
なぜか、
居ても立ってもいられなくなった。
「…俺、様子見てくるよ。」
「「えっ?!」」
その場にいた二人は、
相当驚いた声を上げていた。
俺だって、廊下を必死に走りながら
”らしくないな…”
って、正直、思った位だ。
いつもの俺じゃあ、考えらないよな?
でも、
音楽室から聞こえてきた、
彼女が弾くピアノの音を聞いて、
何となく、
心が揺れ動いた理由。
わかった気がしたんだ。

