「美由!
笑ってる場合じゃないでしょ?」
彼女は、目を見開いて、
びっくりしていたが、
すぐに首を振って、
言った。
「えっ!
う、うん。
でも、無理にお願い出来ないよ。」
ん?
俺は、意外な返事に
耳を疑った。
「だって、作曲なんて大変だし、
時間だってかかるもん。
…迷惑、かかっちゃうよ。」
彼女は、悲しい顔で、そう言った。
俺は、びっくりしていた。
わかってるんだ。
曲作りの大変さも。
…自分が、押し付けられたのも。
しかも、
それだけで、大変なのに、
本気で、
本気で
俺に気を使ってる。

