音楽室まで走って、

ドアを閉めたと同時に、

大きな、ため息をついた。




…どうしよう。



"お先真っ暗"とは、

この事だ。







何も、

ヒント無しで作曲なんて、

無理だよ。







私ったら、いつもこうだ。





後先考え無いっていうか。





アドバイス位、

聞けばよかったよ。






ため息をつきながら、

音楽室に、ぽつんと一つある

ピアノを見つめた。









…作曲…かぁ。





私は、自分に呆れながらも、

ピアノまで、ゆっくり歩いて、

フタを開けた。








夕日に反射して光っている

白い鍵盤と黒い鍵盤は、

とても綺麗で…。








気付いたら、

吸い込まれるように

椅子に座って、

大好きな曲を弾いていた。







私はね…。