運命をさがして

「あの、すみません、通してください。」

何とか動こうとする。

でも、なかなか動けない。

ドアが閉まる。

あーあ。家帰れないよ・・・・。

「恭君、どうしますか?」

「なるべく近いところで降りるしかないだろ。ちょっと待っとけよ、えーっと・・・。」

スマホで調べ物をする恭君。なにやってんだろ。

あ、家に電話かけないと。

「もしもし、私。なんか、オタクっぽい人がいっぱいいるせいで電車降りられなかった。遅くなると思うけど、心配しないでね。」

それだけ言って電話を切る。オッケーっと。

「わかった。」

スマホをしまう恭君。

「え、何が?」

「この人たちはほとんどが、アニメか何かのサミットから、たぶん今からアニメショップに行くと思う。」

じゃあ、そこに着くまで、電車から出られないってこと?

「ここら辺のアニメショップは、今から一時間半ぐらいのところかな。呼びかけても、みんな自分の世界に没頭してるから気付かないだろうし。」