「川崎、もう帰る?」

背伸びをしている私に綾瀬君が言った。

「そうだね、もう暗くなってきたし…」

あんまり長居するのも良くないし、外も暗いから、もう帰った方がいいと思った。


しゃがんでいた綾瀬君がゆっくり立ち上がる

「じゃあ、方向同じだし送ってく」

真顔で綾瀬君が言った。

「えっ、大丈夫だよ」

私は驚いて、ちょっと大きい声になってしまった。けど、綾瀬君は笑って

「一人で帰るのつまんないし、いいじゃん」

眩しいです。笑顔が…。

そのキラキラスマイルに押されて、

「分かった…」

「よしよし。」


そう言って私の頭を軽くぽんぽんする。
なんか私が小さい子供のように扱われている気がして

「荷物取りに行ってくる」

とそっけなく言って教室を出ようとしたら、

「あ、俺も荷物取らなきゃ」

と言って隣に来た。


そうでした、同じクラスでした。


荷物を取ったあと、何気ない会話をして私と綾瀬君は学校を出た。