「あのね、あたしと大希って今年同じクラスじゃないじゃん。

それに、大希のクラスって、杏里ちゃんいるじゃん?

杏里ちゃんって、よく大希と話してるし、絶対大希のこと好きだと思うの。」


なるほど。

杏里ちゃん……確かに厄介だなぁ。

杏里ちゃんはダンスが上手く、背が小さく(私より大きいけど)クラスの女子の中心人物って感じの子。

私は土屋大希と、杏里ちゃんと同じクラスだから、よく分かる。

杏里ちゃんよく土屋大希のところに行ってるもん。


「杏里ちゃんが、大希にくっついてるの見ると、イライラして……

大希は悪くないのに、あたし、大希に当たっちゃって。」


ユキが視線を空に向け、一呼吸おいた。


「単刀直入に言うとね。」


ユキと目が合う。


「私と大希、別れたの。」