「あ、ナナだ。」


私がふと様子を見ると、ちょうどナナがこちらに向かってきている。

あ、徹くんに気付いた。

立ち止まって、どうしようか悩んでる。


集合場所は、神社の近くの少し古い公園の鉄棒。

最近はあまり、人が来ないと聞いている。

二人きりになるにはピッタリ!


ナナが、ゆっくり動き始めた。

鉄棒の近くのブランコに乗って

キコキコこぎながら、徹くんの方をチラチラ見ている。


『あれ、バナナ?』

お、徹くんがナナに気付いたみたい。

声が微かに聞こえる。

ピクリとナナが反応した。