「おっす~、真冬くん」

「あ、小町先輩」

「あれ? 真冬くん何読んでるの?」

「お菓子の本です」

「えっ、なんで? いつもそんなジャンル読んでないのに。どしたの? 急に女子道に歩みたくなったの? 私も歩もうか?」

「歩みませんし、小町先輩はそもそもスタート地点に立つ前に人生終えると思いますけど」

「なんだそれ私の女子力は皆無だって言いたいのか!」

「えっ」

「な、なに。何驚いてるの?」

「そもそも先輩って女だったんですか?」

「そこからかよ! ああもう、なんだよう。もういいよ。で、何? なんでまたお菓子の本なんて」

「あー……そうですね、しいて言うなら、お嫁さんになるため、ですかね」

「は? およめさ……?」

「小町先輩、結婚するならどんな男の人がいいですか?」

「いきなりなに? え、結婚? ……そりゃまあ、優しくって、包容力があって、料理の上手い人かな!」

「はあもう、ハードル高いなぁ」

「なんかよく分からないけど、頑張ってね! ファイト真冬くん!」

「ソウデスネ、ガンバリマス」

「何で片言」